日本各地で、いや、世界各地域で捧げられた祈り・・・
昨年5月以来再び訪れた海は、さざ波が打ち寄せとても穏やかでした。
ほんのひと時足を止めるだけの我々に残すべき言葉はありませんが、一番忘れてはならないことは、
「忘れてしまってはいけない」ということでしょう。
ボランティアをさせていただいた大槌町から、気仙沼までの海沿いを見てきて素人ながらに感じたことがありました。
先人の言い伝えを忠実に守ってきたからなのでしょうか。海岸沿いから数百メートルの間に人工物を一切置していなかったと思われる集落がありました。そこにはただ草が生い茂っているだけ。その一見無駄に見える空間に、実は先人の津波に対する知恵とそれを引き継ぐ住民の思いが詰まっているのではないかと、私にはそのように感じられました。
私の母は千葉県海岸沿いの生まれなので、自分が小さい頃にはよく「津波は黒い」「地震が起きたらすぐに山に登れ」という言葉をどこかで耳にしてきました。そして今回の地震により起こった津波は本当に「ドス黒く」、また、いち早く高台に非難した方が難を逃れるといった光景を映像を通してですが目の当たりにしました。
私達は子孫であり先人であります。
些細なことか大切なことかは、その時になってみないとわからないかもしれません。でも、「伝えていく」ということの大切さは「忘れることなく」、次の世代に引き継いでいかなければならないのだと改めて感じさせられました。
何を伝えていくべきなのかわからないかもしれませんが、少なくとも、「伝えられてきたこと」は「伝えていくべきこと」なのだと思います。
私が聞いてきた言葉を今までちゃんと伝えてこれたか定かではありませんが、3.11を迎える度に反省し律していかなくてはならないと思います。